山田 しゅうじ
やまだ
第128回
2014年08月06日 放送

自民党 山田 しゅうじ 参議院議員

石川県生まれ⇒東大法学部⇒農林省⇒埼玉県庁出向⇒外交官としてパリに赴任⇒霞が関で局長・長官・審議官⇒還暦目前に参議院選出馬のため辞職。。。という、山田議員。農水省での熟練した知識や経験を生かし、「地元石川県の農業・林業をはじめとした産業の貢献に役立ちたい!!」という旨を熱く、スマートに語っていただきました。官僚時代よりも、よりチャーミングによりアグレッシブに活動されているのではないかなと佐野は感じました。

(動画より文字おこし)

自民党 石川県 1期目 (2014年 8月 6日収録時点)

[はじめまして。また、すごい方が来てくださったということで] ― いえ、すごくないです。[経産省、自治省、農林水産省と続いて、三人とも東大!キャリア!このスタジオのレベルがさらに格調高くなりますよね] ― そんなこともないと思います。[いつから国会議員なんですか?] ― 去年からです。一年目です。それまで役所勤めです。[トップに上がるはずの方だったと聞きましたよ] ― いえいえ、普通に普通にやっていましたから。[御地元は金沢ですね。ポスターの説明を少ししていただけますか?] ― 後ほどお話しますけど、新幹線が来年の3月に金沢まで開業しますので、これで石川県はいろんな話題で盛り上がっているんですけど。石川県金沢といえば、加賀野菜、いろんな特徴のある野菜がありまして、金沢まで遊びに来た人にこうゆう物を食べてもらったらどうか。ともう一つ、能登の里山里海とありますけれど、世界農業遺産、FAOという国連の機関がローマにあるんですけど、その認定を能登半島全体が受けたということで、金沢に遊びに来た人が金沢の野菜を楽しんでもらったり、能登の自然に触れてもらったりとそういう風な感じでポスターを持ってきたんです。[この間、金沢市長さんとお食事をしたような気がしますね。TBSに半澤直樹の第二話をお願いしに東京に来たとか、それで馳浩さんなんかと一緒に会食したんですけれど] ― ああ、そうですか。今日も私は金沢市長さんと一緒でしたけど。今日はもう、帰りました。(笑) [金沢といえば、MROの北陸放送の人たちと浅田屋さんに行きましたよ。高い料理屋さんなんですよ。一人最低でも3万円以上ですから] ― そこの赤坂の浅田屋さんですね。[ほんとに何を食べても美味しいんですよね。出し方もいいし、お店の創りもいいし] ― 金沢にも浅田屋さんありますから、またそちらも行ってみて下さい。[青山と赤坂の浅田屋さんは蒼々たる人が出入りしていますからね。行くだけでビップになった感じがありますもの。ビップにさせてくれる所ですからね。] ― 僕らも、なんてゆうのかなあ、決意を固めて行くというか。[金沢も地方価格の所とブランディングに成功している所と差がありますね] ― 概して美味しいということと、今言った、繊細な盛り付けであったり、料理の仕方であったり工夫をしているので、意外に高くても来て下さるお客さんが結構いるということだと思います。

●幸せ度数年表

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第128回山田しゅうじ

[1954年生まれ、還暦ですか?お若いですね。どちらにお生まれですか?] ― 石川県の加賀市という一番はじっこの方です。福井に近い方です。高校は金沢大学付属高校です。[東大に50人近く入る高校ですよね] ― 僕らの頃は40名ぐらいです。[そして、東京大学法学部ですよね。浪人したんですか?] ― いえ、していないです。[1976年農林省に入省。この頃は今より厳しかったんでしょうね] ― その当時、景気がちょっと悪くなって、民間の採用が少なかったので、公務員の志望者が多かったので、なかなか難しかったと思います。[なんで農水省だったんですか?] ― 私の田舎は農村地帯ですし野菜やそういう物も美味しいですし、友達もそういう方が多いので親しみがありましたし、やはり産業として厳しい局面に立ちやすいので、そういう人たちを支援していきたという気持ちもあって農林水産省に決めたんです。林業もですね、木材の価格が上がらないので外国に押されていますので、そういう意味では大変厳しいと思います。外国から安い物が入って来るので、それにつられて価格が安くなってしまう。もう少し価格が高いと供給出来るんですけど。日本は放置されていて、手入れが行っていない山が多いんですね。ただ、森林自体は非常に多いので上手く使っていけば、いろんな木の家とか木材製品を供給出来る力はある、能力はあると思うんですけど。もう少し、木の値段ですとか、国内で供給する体制を作っていけば、林業に可能性はあると思いますね。[そして、結婚。どなたとですか?] ― それは、奥さんとしたんですけど。(笑) 大学の時にダンス講習会がありまして、そこで知り合いました。[本当はダンパじゃなんですか?] ― ダンパの目に練習する会があってそこで知り合いました。(笑) 長女が誕生しました。やっと授かって良かったなという感じです。[そして埼玉県の課長に。農林省から出向されたんですか?]はい。これは非常に楽しくてですね、いい経験をしました。やはり県庁に行きますと、いろんな地元の人と付き合いが出来て、国家公務員ですと霞が関にいることが多いんです。自分にも役に立ちましたし、大変楽しい思い出です。お酒も良く飲みました。[今もお付き合いがあるんですか。上田知事ですけど] ― 上田さんともお付き合いがありますし、当時一緒に仕事をした同僚ともよく飲んだり、会合を持ったりしています。[ここちょっと下っていますよ。(佐野が幸せ度数年表の下がった線を指さす)] ― はい、農水省に戻ったので。農水省の厳しい生活がまた始まったので。今はそうでもないんですけど、夜遅くまで仕事をして、省に泊ったり。[仕事が間に合わないんですか] ― 仕事も多いんですけれで、昼間できる仕事と夜できる仕事があって。昼間はたとえば、国会議員に説明に行くというのは昼間しかできないですよね。たとえば、他の民間の人に話をするとか、それは昼間しかできないんですが。夜にはこれからどうしていったらいいかとか、考えたり、明日何をしなくちゃいけないと考えたり。準備は夜しかできない。昼間は外の人と接触をしてお話したり、レクチャーしたりで昼間の時間はほとんど使われるので、夜の時間を次の日あるいは将来の企画に当てる、夜になると時間ができますし静かになりますので、夜にいろんな仕事をするのが結構多いですね。[40歳で花のパリ、OECD代表部へ。経済開発協力機構ですね。OECDってなんですか?] ― 先進国が集まってこれからの世界をどういうふうにしていこうかという話をする組織です。今は30カ国あまりになってますけどその頃は20カ国でした。これからの貿易を世界でどういうルールでやっていったらいいかとかそういうことを議論するということで、代表部というのは日本の大使館みたいなもので、外交官になって会議に出て日本はこうだ、こういう風に思うとか。例えば、農産物の関税はこうしなくちゃいけないと主張するようなことです。これが3年間やっていました。[外交官というのは外務省だけじゃないんですよね。いろんなところから行くんですよね] ― 外務省の方は文化面ですとか政治的な問題をやりますが、経済の問題とかそれぞれ専門的な分野は各省から外務省に一回出向して外交官になってその分野をやるということが多いですね。ですから外務省の方もいますけどOECDの代表部では半分以上か三分の二は各省から来ていて、外務省の人は三分の一ですかね。[何年パリにいらしたんですか?] ― 3年です。[何が楽しかったですか?] ― 仕事も楽しいですけれども、外国の文化に触れられるということですね。パリなので見る物もたくさんありますし。本にも書いたんですけれど、(「村と街を結ぶフランス」)農村と都市の関係がフランスはとても良くて、パリに住んでいる人たちもしょっちゅう田舎に行って、農家民宿というんです。バカンスは南フランスとか高級な避暑地に行くんですけど、お金持ちばかりじゃないので、南仏のニースとかで遊べる人はお金持ちが行きますけれども、一方で、フランスは年に2週間、年次有給休暇を雇用している人が与える義務があるというシステムなんです。雇用されている人が申請しなくても一方的に休みになってしまいます。暑いパリにいれないので。パリのお店もバカンスでかなり閉まっちゃいます。お金持ちの人たちは南仏にいきますけれど、そうでもない人たちはパリの近郊に行って、2週間か3週間、その辺をぐるぐる回っているという関係があって、都市の人も農村を非常に身近に感じているし、農村の人も都会の人がよく来てくれるので、おもしろい社会だなあと思いましたね。日本と違うなあと。[フランスは農業大国ですからね。野菜が美味しいんですよね] ― マルシェっていうんですけど、青空市場みたいなもの、テントを張って。パリで当時60カ所、週に何回か開くようなものがあって。我々も農家の人が実際に持ってきてくれる物を買うんですね。野菜を買ったり肉を買ったり。もちろんスーパーマーケットもあるんですけど。都市の人が道の駅で野菜を買うような感じで、パリの中で買える。そうすると農村を身近に感じられる。フランスはいろんな意味で楽しいですけど、私は都会と田舎の関係がなかなかいいなあと思っています。そういう意味でも参考になりました。[フランスは卵が美味しいんですよね。オムレツにしてもケーキにしても美味しい] ― フランス料理は美味しいですよね。どういう田舎に行っても美味しい。パリのラーメン屋さんも美味しいんですよね。日本風料理があってあれだったら日本でも受けるかなというラーメン屋さんがあって、食生活も楽しいですよね。鮨屋さんもあったりね。[その三年間で価値観はやっぱり変わりましたか?] ― 変わったのは、仕事に対する価値観ですね。日本だと役所でも民関企業でもそうですけれど、誰か休んだ時にそこで用を言うと誰かがやってくれるんですね。じゃ私が処理しますとやってくれるんですけど、フランスでは電話をかけて、担当はいません、休暇ですので3週間お持ち下さいと言われる。僕らが年休を取ると、他の人に迷惑がかかるんじゃないか、自分でやれることはよろうと、休みを取らないで仕事しちゃうんですけれど、フランスは他の人に迷惑がかからない。仕事相手には迷惑はかかるんですよ。(笑) だれもフォローしないので誰にも迷惑がかからない。休みが取りやすいんですよね。だから、そういう意味では夏は仕事が進まないですよね。[後は水産庁長官になられて] ― 次は農水審議官と淡々と仕事をして。[何年間、お役所にいたんですか?] ― 三十数年です。定年の一歩手前で辞めて。[どうして参議院議員になられたんですか?] ― もともと国会議員になろうという気持ちがあったわけではないんですけれど。公務員を続けていて、そろそろ退職だという時に地元の方なんかから、今までの経験を生かせる仕事を地域のために生かしてくれませんかというようなお話もあって、そうゆうことならば、お役に立つのならば出ようと、そんな経緯ですね。[10年位前から予感はあったんですか?山田さんを推そうというのは耳に入っていたんですか?] ― 地元の人から、今度こういうことを考えてくれませんかとかいうことは時々ありましたけど。その当時は、そうすると公務員を辞めなければならなかったので、公務員をしているのも楽しいしやりがいもあると思っていましたので、そういう話があってもずっとお断りをしていたんです。でも、地域の方のお話もあり、地域のために頑張れるんなら頑張ろうと立候補したわけです。[バッチを付けて一年経ですが、レクチャーする側からされる側になっていかがですか?] ― それぞれ役割が違うので。公務員というのは担当が決まっていて、例えば水産庁長官をやっていると、水産行政の責任者なのでいろんなことについて決断をしながら決めていくということなんですけれど、それはある一定の分野だけなんです。一般の国会議員ですと行政に対してああしたらどうか、こうしたらどうかと提案をする。その範囲は非常に広いので、国の在り方とか、地方の振興とか幅広く意見を言えるとい意味では面白いというかやりがいがありますが、一方でもどかしい面もあるんですね。公務員をしていれば、これはこうしようと決めれば、自分の所掌の中のことはほとんど決定をしてやっていけると。今だとこういうふうにやったらどう?と広くいろいろなことを提案出来るんですけれど、じゃあ決められるかというと他の人が決めるということなので。[だれが決めるんですか?] ― 水産行政だったら長官であったり、水産大臣が決める。こちらは意見を言う立場。ただ幅広くいろんなことに関心をもって意見を言うということです。[逆にこれは通る、これは通らないとすぐわかっちゃうでしょうね。所管だった所でかれば] ― 役所の仕組みをある程度わかっていますし。そうすると、国会議員がこういう提案をした時に役所がどう対応していくかだいだい分かっているので、この問題についてはこういう風に処理されていくのかなあとか、これは言えば少しは通るとか、これは言っても無理だなあとか、そういうことはだいたいは想定がつくので。そうすると、それを想定しながらいろいろ言っていくということだと思います。[自民党はすごい人材がいますね] ― 周りを見てみても、いろんな方がおられてそれなりに経験を積んでいたり、見識があったりして我々も勉強になります。

 

●最近の政治トピックス

 

[やはり政策は農水省の管轄だったことをやってらっしゃるんですか?] ― もともと、立候補するという時にも地方を元気にする、地方を活性化するということが、私の公務員生活においてもテーマでしたし、地方の元気を取り戻すということに自分の行動の原点を置きたいと思ってきました。農林水産業だけでなく、観光、工業ですとかいろんなものがあると思うんですけど。農林水産省も農業、漁業だけでなくて地方を見ている、地方の活性化というのも所管事務ですので、そういう意味でいうと自分のやってきたことの延長線として地域の活性化を図っていくことが大事だと。特に最近、アベノミクスとかで景気が良くなっているとのことですが、地方はまだとよく出ますけど。[アベノミクスのローカル版も頑張って欲しいですよね] ― 石川県がいいのは新幹線が来年の3月に来るということもあって、これを契機に石川県、北陸の活性化を少しでも図っていこうと。その時の素材というのが自然であったり食べ物であったり、こういうことを生かして地域の発展に貢献できるんじゃないかと、今の最大の課題だと思っています。[議員になって生活が変わったんじゃないんですか?市民に頭を下げるなんて余りしたことなかったんじゃないんですか?(笑)] ― 私の場合は公務員でも結構、お願をすることが多くてですね、いろんな方の協力がないと出来ないのでお願をすることが多くてですね。同じお願をするにしても公務員と国会議員の立場と言うんですかね、これが違うんです。公務員の場合には、こういう政策について協力して下さい、あるいはこういうことに対して出資をしてもらって支援体制を作りたいのでお願いしますと。私のために何かをやってくれと言っているわけじゃない。この政策を実現するために是非皆さん協力して下さいと言っているので、別に私に何かをしてくれと言っている訳じゃなく、みんなのためにご協力いただけませんかというお願いです。政治家になると、私のために一票入れて下さいというお願いです。私のために何かをやって下さいというのが、結構ギャップがあって。民間にいれば、もう少し自分のため自社のためにこうして欲しいとか、自己を出してお願をしていくということがあるかもしれないんですけど、公務員というのは匿名性というんですか、私が何かをやるんじゃなくて、政府として、何とか省としてこういう仕事をやりたいのでこれについて是非御協力をお願いしますということで頭を下げる。結構素直に頭が下げられるんですね。駄目なことははっきり駄目と言えますし、嫌われてもしょうがないですね。これはこういう政策なんですからと。(笑) たとえば、税金をあげましょうということがありますよね。役所にいれば、これはどうしても必要なことなんです。国にとって必要なことなんですと、説明をすればいいことなんです。「なに寝ぼけたこと言ってんだ。俺らは苦しいんだぞ!」と言われても国のために必要なことなんですでいいんですけど、政治家になると自分のために何かお願をしている。「税金、高いからなんとかしろよ」と言われた時に、まあそんなこと言ったってとなかなか言えないところもありますよね。自分のために何かを頼んでいる立場ですから。ところが公務員の場合は自分のために何かを頼んでいるわけではないので「お前のためにこんなことやってやたんじゃないか」と言われても、私個人が何かをしてもらったわけではない。[理詰めと人情という感じですか?] ― まあ、そうですね。その通りですね。だから公務員は割り切れていて、政治家は割り切れていないところがあるんですね。[一番やりたい政策をひとつ言っていただければ。山田しゅうじさんならではというものはありますか?] ― 石川県も広いですけれども、特に能登地域が過疎が進んでいるし、半島ですからね。わざわざ来てもらわないといけないし。工場も能登に作るんなら加賀、金沢もっと便利な所に作りたいと思って。そうすると能登半島が厳しい状況にあるんですね。そういう所は日本各地にあるわけで、そういう所が元気にならないと日本は良くなったと言えないと思うんですね。東京のこの赤坂だけ繁栄してもですね。(笑) 能登半島も白山山麓もありますし、加賀の方も寂しい所がありますし、本当にそういう所で地域興しをしていく必要があると思うんですね。[TPPについてツイッターから質問が来てますよ] ― TPPについては我が国全体で利益があるものなのかを良く判断をする必要がある。農業、工業、知的所有権といろんな分野がありますよね。TPPは今、交渉している協定ですので最終的にどうなるかまだはっきりしていないんですね。TPP全体として交渉した結果が日本にとってプラスになると、全体として評価されるなら、それはそれで進めていかなくちゃいけないと思うんです。ただ、TPPを進めたことによってメリットのある産業とデメリットを受ける産業、農業もそうですし、中小企業も、いいところと悪いところがある。そうすると、悪いところはその人たちの生活もあるので、その人たちには対策を講じながらプラスの面を生かして、トータルとしてプラスになるようにやっていくというのがこれからの政府として大事なことなので。TPPについて賛成か反対かとよく議論になりますけれども、まず交渉をしっかりやって日本に出来るだけ有利な内容にすると。もしまとまるんなら、ダメージを受ける人たちに対する対策をしっかりやると。こういうことが必要だと思うんです。農業について言えば生産性の格差が非常にあるんですね。たとえば、日本の農地面積とアメリカの農地面性を比べれば100倍違うし、オーストラリアと比べれば1000倍違う。また、開発途上国は労働力がものすごく安い。たとえば、アメリカ並み、オーストラリア並にしようとすると規模を100倍にしなくちゃいけない、1000倍にしなくちゃいけないという状況です。労働力を安くするのは難しいので。農業を頑張っている人で、ものすごくブランド力を確保できて、かなり安い物が入ってきても差別化できてやっていける人たちももちろんいます。そういうことを目指すべきだとは思うんですけれど、全部の人が全部それが出来る訳でもないと。そうするとやはり、規模拡大なり、付加価値を高めていくということをやりながら、底上げをしていく。直ぐに、100倍とか、1000倍の人と競争しろと言っても無理なところがあるので。競争に勝てる人を育てていくことが必要なので、そういう意味でTPPも他の経済協定もそうですけれど、急に風を当ててバタバタいってしまっては元も子もないので、そこはある程度対策を講じながらやっていく必要があると思うんですね。今、話題になっていますけど、耕作放棄地になると直ぐ田んぼに戻せる訳ではないんですよね。木が生えてきたりして。耕作放棄地が増えていかないようにしながら、大きい農家を育てていく対策をやっていく必要があると思います。[農協改革が聞きたい。農協はふたつあるけど、役割を終えているんじゃないんですか、質問が来ていますけれど] ― 農協は協同組合ですから。元々は小さい農家が方を寄せ合いながらやっていきましょうということだったので。今はだんだん先進的な農家が出てきて、外国とも競争できる人たちも出てきたので、そういう人たちが農協離れをしていると言われますけれども、農協のサイドからするとそういう弱い人を助けながら強い人にも利用してもらえるような組織体制に変えていく必要があると思うんですね。農協はもう役割を終えたかということですけれど、共同組織ですのでみなさんがやっていこうというのであればそれはそれで組織していけばいいと思いますし、あるいは自分はそういうのと関係なく生産していくんだというのであれば、それはそれでいいと思うんですけどね。ただ、農協自身も変わっていかなければいけないというのはあると思います。本当に農業をやろうという人たちを育てるように、またそういう人たちも農協を利用しようと思うように農協自身も変わっていく必要があるというふうに思います。若い人も農業をやることに関しては制度上のハードルがある訳ではないんですけど、初期投資のお金、農地を所得するためにもお金がいるし、いろんな機械を揃えるのにもお金がいるんで。制度的な問題よりも資金的な問題で、事業を始めるのと同じなので。それを入り易いようにしていく必要があるので、今、会社経営で農業をしている所があるのでそこで技術を身につけながら、お金を貯めながら、独立する。そういうことが必要ですし、そういうことをやっている企業があります。技術を身につけて、田んぼを分けてもらって機械を安く譲ってもらう、そういうこともあるんですね。[山田さん、話、上手いねってきてますよ。やはりフランス語も上手いんですか?] ― フランス語はですね、出来るのは「御勘定お願いします」ラ・デシオン・シルブ・プレです。(笑) レストランに行くとメニューがあるので、肉とか魚とか指させば注文できるんです。困るのはフランスでは席にお会計を取りに来てくれるので、呼ばなくちゃいけない。それが言えれば注文はできるし、締めもできるということでです。それだけできれば、フランスでは生活できます。

 

●今だから言えるあの日のあの出来事

 

世界農業遺産ってあるんですけど、能登半島が日本で初めて指定されたんです。その時に農水省で国際問題の担当をしていたので、四年位前ですけれども。アン・マクドナルドさんという上智大学の先生がいて、この方から能登半島が素晴らしいので世界農業遺産にしたいという申し出がったんです。これを進めていた時に、大臣とか副大臣に上げずにまあ進めようとどんどん進めていたんです。これは県から申請をしてもらえばいいと思っていたんですが、実際に申請する段になってやっぱり農林水産省から申請をしてほしいという話があって、これは大臣とかに話をしていないいし困ったなあとういうことがありまして。まあいいから出そうと出したら、通ってしまって。先進国で初めてで。通っちゃたし、新聞発表もしなくちゃいけないし、でも大臣に話してないし困ったなあと思って。しょうがないからじゃあ行こうということで説明をしたら、当時の副大臣が「これ、聞いてないぞ」「どうしてこんなになったの?」と言われて、私がいいことだと思って進めていましたと言ったら「ま、いいか。しょうがないか。」と言って許してもらえました。(笑) ちょっと冷や汗をかきました。今、日本で五地域が世界農業遺産になっているんです。最初に世界農業遺産認定の道を付けられたということが良かったんだと思います。[その時の副大臣は民主ですね。きっと今、落選してますよ]

 

●質問コーナー

 

Q:農業問題だと、自給率の問題があると思うんですけど、労働力が必要ですよね。移民政策とか。自給率を上げるにはどのようにしていったらよいと思われますか?

 

A:移民の問題はある程度は入れていった方がいいと思いますけど、本当にどんどん無制限でいいのかについては疑問があるということです。自給率のアップというのは生産の問題と消費の問題があるんですよね。消費の問題というのは、国産を皆さんに消費してもらう、洋風の食生活から元々、日本人が食べていた食生活に戻してもらう。農産物というのは、元々自給自足なので、昔からの食生活はその国で一番採れる作物を食べていた歴史なので。自給率を高めるのはいろんな方法がありますけれど、自給率が下がっている原因は日本人が昔から食べていた物をやめて、日本に元々なかった物、畜産物だとか油だとか、食生活の洋風化によって日本でできない物を食べるようになってきたので自給率が下がっているというのがあるんです。農業の生産力を上げていく、労働力をどうするか、担い手をどうするかという話がある一方で、消費者の方にも自分の食生活をもう一度見直してもらって、元々日本にあった、加賀野菜とかもう一度見直してもらって。健康にいいということで日本の食生活は見直されていますけど、消費者の間で理解されていけば自給率のプラスにもなると思います。もうひとつは廃棄ですね。捨てる分がかなりあるので、あまりゴミにならないようにやっていくということも大事だと思うんです。生産者のサイドと合わせて消費者の方々も、もう一回自分の食生活を見直して頂くというのも大事だと思うんです。給食とか日本の政策もあったんだと思うんですが、もう一度日本食を見直すということです。[ダイエット、美容からゆうと日本食じゃないと無理ですからね] ― そういうことです。

 

Q:新幹線で地方を活性化するというお話があって、自分も地方出身なんですが、新幹線で直接行ける地域以外の所に関してはどうお考えですか?

 

A:その意見はまったく同感なんですね。新幹線で元気になるというけれど、新幹線はあくまで交通手段にしか過ぎないので、結局物珍しさで乗ってくれる人がいてもそれだけのことなんですね。やっぱり、その地域が発展するためには、そこに来てあちこち回ったり、リピーターになったりして頂く必要があるので、新幹線は契機ではあるんですけど、大事なことは地域の魅力を高めるということだと思うんですね。今日も石川県知事さんと話する機会があったので言ったんですけど、新幹線効果は一年か二年しかないのかもしれない。やっぱり本当に地域が発展していくためには、地域の魅力を増すということを時間がかかるかもしれないけど、やっていく必要があると思うんですよね。今おっしゃったように新幹線が来ない所もそういう意味では、地域が訴える物があって都会の人や全国の人、外国の人でもいいんですけれど、そういう物をアピールしていくことが本質的に大事で、それを補完する上で交通手段が伴ってくるので、やっぱりまず、いい物を作っていく、いい物を発信していくことが大事だと思います。地域ごとに特色があると思うんです。だから地域の特色が発揮できるようにいろんな支援策を考えていくことだと思うんです。ちょっと我田引水なんですけれど、この能登の里山里海、これもやっぱり、能登半島に工場を誘致しても来てくれない、だったらこんなに自然がいいんですよ、こんなに自然で作ったたべ物は美味しいんですよとかいうことを伸ばしていく政策をやっていく。政策で大事なことはいい面を伸ばしていくということに重点を置いていくとそれが地域の発展につながると思うんで、能登は能登の、白山は白山の、金沢は金沢のというようにそれぞれの地域にあったいい物を伸ばしていく政策をいろいろ組み合わせてやっていく、そういうことが一番大事なことだと思います。

 

[最後に好きな食べ物は何ですか?] ― 何でも好きです。加賀野菜ですと言っておこう。(笑) [高級ですからね。なかなか買えないし。料理屋さんが抑えちゃっていますもんね] ― 確かに量が少ないです。ほんとに。もうちょっと産地を作らないと。